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ネットショップオーナーがクレームで泣き寝入りしないために大切な「文章化」のこと

2012年7月24日 | カテゴリー:コラム

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ネットショップを運営していれば、誰でも一度や二度は経験したことがあるでしょう「クレーマー」との遭遇。

大抵のお客様は、しっかりと話をすれば分かっていただけるものですが、中には心無い言葉を平然と投げつけてくる方もいるもので、怒鳴り散らされるならまだ冷静になってもらえればいいものの、メール文面であることないことかかれた挙句に法的手段に訴えます等と言われた日には、心に大ダメージを追ってしまうものです。

単なる言いがかりや無茶苦茶な言い分であれば、それなりに打つ手はあるものですが、相手が非常にクレバーなクレーマーだったとしたら・・・
場合によっては損ばかりで泣き寝入りになってしまうこともありえますし、それを経験したことのあるネットショップオーナーの方もおられるのではないでしょうか。

と言う訳で、今回は「泣き寝入りしない」ための対策のために出来ることを考えて行きたいと思います。


何はなくとも、まずはマニュアル作りから

ネットショップは通信販売である以上、運送の問題が出てきます。

商品においては万全を期して十分な準備を行ったとしても、運送時に不慮の事故によって商品が破損してしまう場合もあれば、破損は免れたものの、梱包が一部破れてしまうなどのトラブルの可能性は決して否定できません。

万が一でもそのようなトラブルに巻き込まれ、お客様の下に届いたのは破損した商品だったと言う場合は、どうすればいいのか。

答えは簡単で、「代替品を送る」でほとんどの場合は終了します。

・・・が、時に問題はそんな単純なものではなく、場合によっては正常に商品が届いたにも関わらず難癖をつけようとするお客様もいたりするものです。
このような場合、基本的には「返品を受け付けた後に代替品を送る」でいいのですが、クレーマーレベルともなると
「商品の返品が手間だからそれはできない。早く代替品だけ送れ」
と無茶を言ってきたりすることもあります。

それでも「返品がなければ代替品は送れない」と突っぱねればいいのですが、相手が怒鳴り散らし、威嚇の上で要求を重ねてくると、その対処が面倒になり、返品無しで代替品を発送してしまうと言う事例は大いにあるものなのです。

しかし、一度でもこれをしてしまうと、以後は「この手は通用する」ものとされ、何度も同じことを繰り返される可能性も出てきます。

理不尽なクレーム処理に対抗するには、事前のマニュアルをコンテンツにしておく

これは万が一トラブルが発生した際、「当店はこのように対処をいたします」と言うことをショップ内のコンテンツとして明記しておくことがまずは大切です。

例えば

●万が一当店の過失、もしくは配送時のトラブルによって商品に破損が出た場合は、24時間以内に当店にご連絡をお願いします。
 →1日以上経過した場合のご連絡につきましては、いかなる理由においてもお受け致しかねます。
●梱包に多少の傷が入っていても、商品に問題がない場合の保障は致しかねます。
●開封後、一週間以上経過した際に生じた商品トラブルにつきましては一切保障いたしかねます。
●代替品の交換につきましては、1週間以内の返品をお願いします。
 →一週間以上経過した際の返品・交換はお受け致しかねます。
●代替品は返品を受け付けた後に発送させていただきます。
 →いかなる理由においても、返品前の発送はお受け致しかねます。

など、上記は一例ですが、このような感じでお店に合わせた文言を考え、「どのように対処するか」と言うことを明記しておきたいところです。

これにより、万が一トラブルが発生し、クレーマーに目をつけられたとしても、「ページ内の規約をご確認下さい」の一言で済みます。
法的手段と言う言葉が出たとしても、すでに「明記されている」わけですから、これを守ることが前提となるため、恐れることは少なくなるでしょう。

ただし、明らかにショップ側の過失であれば速やかに謝罪し、適切な処置を取るようにしましょう。

こちらが悪くないときは、決して下手に出ないこと

明らかにショップ側の過失は無く、お客様の利用方法などに問題があったことから生じたトラブルについては、決して下手に出ないことも大切です。

もちろん客商売ですので、礼儀を尽くすのは当然ですが、礼儀と卑屈は別のものなわけで、こちらに非もないのに折れる必要もありません。
あからさまに理不尽な言い分や、無茶な要求に対しては、頑にして断りを入れるべきです。

このような場合でも、「商品の本来の目的以外での使用による破損については一切保証は致しかねます」などのように一文を明記するだけでも効果はあるものです。
もしもどう考えてもありえない商品の破損が発生したと言う連絡が合った場合は、メールだけでなく、電話ででもしっかりとしたヒアリングを行いましょう。
ほとんどの場合、お客様が嘘をついていてもすぐに分かります。

このように、トラブル対処のためには「明記された文章がある」と言うことが非常に効果的なものなのです。
電話越しやメールのみで対処をしようとすると水掛け論になってしまいがちなことや、感情に流されてしまいやすいこと、ショップ運営側でのルールが明確化されていないことから、クレームに負けてしまいやすくなるのです。

事前にトラブルの可能性を想定しておく

取り扱う商品にもよりますが、商品の特性や仕様などから、プロの目からすれば納得できるものの、素人のお客様から見てみると「あれ?」となってしまうこともあるものです。
特に色や大きさなどは写真との違いも多く出てくるものですので、そのあたりのフォローも文章化して商品説明に加えておきたいところです。

また、手違いから「ショップ上には在庫表記されているのに、いざ発送の準備をしてみると、在庫切れで商品がなくなっていた」と言うこともありえます。
特に実店舗とネットショップで在庫が混同している場合に起こりがちなトラブルですので、できれば実店舗用とネットショップ用と在庫を分けておきたいところですが、なかなか難しかったりするものですよね。
このような場合でも「実店舗と在庫が共通のため、ネットショップ上と入れ違いで在庫が終了している場合がございます。あらかじめご了承下さい」と言ったことを一文加えておいた方が良い場合もあります(逆に書かなくても良いケースもありますが・・・)

商品が原因となるトラブルは商品によって様々ですが、それを取り扱う者としての視点と、お客様の視点の考慮から、事前に起こり得るトラブルは洗い出しておくことをおすすめします。
特にクレームに繋がりやすい問題は、本当にクレームとしてすぐに噴出してしまうものです。出来れば一人きりで考えず、販売に携わる人員、個人で経営している場合は友人や知人、家族とも話し合い、レビュー、ディスカッションを繰り返し、起こり得る問題についての対処を文章化しておくことをおすすめします。

お客様に理解していただくために

上記の通り、想定できるトラブルの可能性は全て文章にし、コンテンツとして明記しておくことで、トラブル回避について一定の効果を発揮するものです。

しかし、ほとんどの場合、お客様はこのような文章は読みたいと思いませんし、恐らくほとんどが読まないでしょう。

ある意味において、文章化することで目的はほとんど達せられているわけではありますが、より理解を得るためには、「トラブル対応マニュアル」として読んでいただく動機付けを作る必要が出てくるかと思います。

方法としては、まずはショップ内コンテンツに一つ。

もう一つは、「ご注文内容自動送信メール」「ご注文確定時」「発送確認メール」などにも「万が一トラブルが発生しましたら、まずはこちらをご一読の上、ご連絡をお願いします。→トラブル対応マニュアル」と言ったように、分かりやすい場所に貼り付けておくのが良いでしょう。
メールで全文を記載しても読まれないので、URLを記載するだけで十分です。
本当にトラブルがあれば、まず読んで頂けます。

万が一商品の破損、配送事故などのトラブルがございましたら、下記のページをご参照の上、ご連絡をお願い致します。
http://トラブル対応のあどれす.com
*************************************
ネットショップニュースなう!
管理人:masaki
URL:http://netshop-now.com/
mail:shop@netshop-now.com(←このメールアドレスはダミーです。)
TEL/FAX:00-000-0000
*************************************

メール末尾の署名欄に「万が一トラブルが発生したら→URL」のように、書名欄のメールアドレスの近くに設置しておくのもいいでしょう。
ほとんどの場合はこれだけでもかなり対処できるものですので、まだこのようなマニュアル化が出来ていない場合は是非作っておくことをおすすめします。

万が一悪質なクレーマーのご登場となっても、「マニュアルに沿った対応をいただけないなら、応じることは出来ません」の一点張りでも大丈夫です。
絶対に弱気になってはいけません。
ショップ側に過失があれば素直に謝り、冷静に話が出来る状態を作ってから、改めて保障や返品、返金などの相談をすればいいのです。

あまりに悪質かつ理不尽な要求をする場合は、こちらが法的手段に訴えることも可能と言えば可能ですので、最悪の場合はそれも視野に入れておきましょう。
(滅多に無いことですし、私もネットショップ運営歴6年以上になりますが、そのような方には出会ったことがありません)

基本的にはほとんどのお客様は良いお客様です。話をすれば伝わりますので、不要に恐れる必要はありません。
(中にはお礼のメールを送ってくださる方もおられます。やはりこのような方がおられると勇気付けられるものですよね。)

最後に:クレームは決して怖くない

クレームが怖い理由は何かと問われると、分かりやすいところで言えば

●金銭的に不利益を被る可能性
●精神的悪影響
●今後の運営にまつわる不安
●クレームの拡散

あたりではないかと思われます。
特にインターネット社会においては、情報の伝達は異常なほど早く、ちょっと悪い評判が流れると、一気に拡散されてしまう可能性があることから、なかなか強気に出られないということも往々にしてあるのではないでしょうか。

しかし、このようなことは基本的にありえないことなので、そこまで心配する必要もありません。

しっかりとお店のことを考え、事前対策を考えておく。マニュアルを作っておく。情報の共有を促し、万が一のトラブルが発生しても、直ちにマニュアルに沿って対応できるなど、準備と明確化を進めておくことで対応は出来るものですので、恐れる前に、考えられる可能性を考慮し、それに合わせたコンテンツを用意しておきましょう。

大切なのは、お客様には当然ですが、お店に対しても真摯であることです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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