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ネットショップにおける「送料」の取り扱いについて考えてみた

2012年10月22日 | カテゴリー:コラム

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今回はまずこちらのニュースを

ゾゾタウン社長「前澤友作」氏がTwitterで客にブチ切れ「二度と注文するな」
マイナビニュース

社長自らやらかしてしまった大炎上 と言う感じですが、すでに謝罪されているので、これ以上の人格的なツッコミは無しの方向性で。

この問題については割と混同して考える意見もチラホラ見かけましたが、ネットショップ運営側としては、決して他人事ではない部分もあったりして、色々考えることもあるんじゃないかなと思ったりもします。

というわけで今回は、ネットショップ運営と送料について考えてみました。


ZOZOTOWNの送料は高いのか?

ZOZOTOWNでは、送料は全国一律399円となっています。
10000円以上の購入で送料無料。

送料・手数料について教えて!
(ZOZOTOWONヘルプページ)

なぜ399円なのかは分からないですが、ネットショップ運営としては決して高いものではありません。
多くで見かけるのが送料一律525円(北海道や沖縄、離島の場合は730円)だったりするわけですが、それを考えても安い部類と考えた方がいいでしょう。

では、なぜ騒動の発端となった送料が「700円で割高に感じる」と言う話になったのか と言うと、これは手数料が含まれているからです。

この場合の手数料と言うのは、上記のヘルプページ通り、「代引手数料」もしくは「コンビニ決済手数料」の315円です。
送料に加えて315円の手数料がかかるため、合計で714円。

なぜ700円の掲載になったのかは端数が切り捨てられているのか、細かい数字なのでわざわざ書く必要が無かっただけなのかはZOZOTOWNを利用したことが無いので分からないのですが、金額としては妥当なところでしょう。

ちなみに、送料無料といえばamazonが有名ですが、代引の場合は315円手数料がかかります。と言うわけで、どのお店においても手数料はかかるものなんですね。

ネットショップは通販となるため、配送処理は切っても切れない関係にあります。
ですので、商品が額面通り購入できる方が珍しいものだったりします。

問題はひとつだけ

この場合の問題は、ZOZOTOWNの社長の送料に関する話題に対して暴言をツイートしてしまったこと「だけ」が問題であり、決して送料の高の問題ではありません。

送料についてツイートされた方も、そこまで深く考えてなかったんじゃないかな? と思ったりもします。
通販で安価なものを単品購入すると、送料の方が高くなってしまうと言うのは特殊なケースでもなんでもありませんし、それをネタにちょっと話を盛ってみるという光景もそんな珍しいことでもないかなと(私の世界の中だけの可能性も大)

むしろ、そのあたりを考慮して多く購入してもらえるよう金額調整だったり、戦略を練ることが大事なわけですし、購入者も送料の方が高つくことを覚悟した上での購入の場合がほとんどだったりします。

私の経験上では、数百円の商品に対して、手数料含めて1500円くらいの送料(梱包がかなり特殊なため、送料が削れなかったのです・・・)がかかるものでも、購入確定されれば、文句を言われるようなことはありませんでした。
問題や何か聞きたいことがあれば購入前に問い合わせされるので、問題として発展したと言うことはなかったのです。

個人商店と総合店舗との方法を同列で考えるなと言われればそれまでですが、送料と手数料の合算であれば、店舗ごとに送料の仕組みが違う楽天市場のほうが、色々と考えることが多いのでは? と思うわけで、送料と手数料の周知さえしっかりと出来ていれば、トラブルになることはほとんど無いものです。

こればかりは、社長の過剰反応だったことは間違いなく、そこで「1万円以上のお買い上げで送料無料になりますので、またよろしくお願いします」とか、送料の仕組みについて触れつつも、購入してもらったことに感謝の意を伝えるなどの選択肢もあったわけですし、言い訳の出来ないことをやらかしてしまったなーと。

ですので、このケースに関しては、送料の高と社長の暴言をワンセットで考える必要もなく、単純に「社長が悪い」でいいかなと思います。

本題の送料のカラクリ

さて、やっと本題に入るわけですが、ネットショップオーナーにとって、送料は意外と面倒な事案の一つであるのは間違いないと思います。

すでに大口の取引で運送会社と契約している場合はともかく、これからネットショップ運営を始めるにあたり、運送会社との契約からスタートしなければならないと言う方もおられるのではないでしょうか。

原則として、送料はそれぞれの運送会社の公式サイトで公開されている配送料をそのまま踏襲することになります。
これは個人でも法人でも違いは無い場合がほとんどです。
全て公開されている送料に準拠しています。

では、なぜ「全国一律525円」だったり、運送会社が同じでありながら、送料が安くなっているのか と言うことになるのですが、これには色々とテクニックや店舗努力があり、公式として運送会社が用意しているプランや取引方法ではない場合がほとんどです。

なぜ送料「一律」が良いと言われているのか

店舗によっては地方によって送料がバラバラのところもあれば、全国一律としているところもあります。

しかし、やはり一律料金の方が良いと言う話は多く聞かれるもので、環境として可能であれば、取り入れると言うのも選択肢の一つだと思います。

商品の都合上、一律は不可能な場合でも、分かりやすい位置に送料一覧ページへのリンクを貼るなどの工夫でカバーできますので、必ずしも送料をそろえる必要もないとは思いますが、見た目としては一律料金のほうが分かりやすいのも事実です。

では、どうやって一律金額を実現しているのか? と言うことになってくるわけですが、これにも様々なカラクリがあるものです。

本当に送料が安いケース

運送会社も競争の世界です。
他社に負けないサービスや提案をしているものですが、やはり定期で確実に収益となる大口の取引が欲しいと言うのが本音なのは間違いなく、そこに熾烈な競争があったりもします。

例えば、配送単価が5kg、よくある小さなダンボールサイズで700円が一般価格の場合、毎日100個、200個確実に配送するともなると、送料だけでも莫大なコストになります。
送料は多くではお客様負担となるものですが、これほどの膨大な数を毎日梱包し、発送するだけでも人件費や梱包コストがかかりますので、額面の送料では赤字になる可能性も高いわけです。

そこで、運送会社との交渉において「毎日絶対に150個以上の配送を依頼するので、配送単価を落として欲しい」と言うことを伝えると、運送会社としては確実な収益となるわけですから、見積を出してくれるわけです。
もしも大口の取引を他社に取られると言うのも問題ですので、ある程度の割引が適用されることもあります。
(※上記はあくまで例えですので、150個の配送では少ないと言われることもあります・・・。)

基本的に大手の運送会社であれば、全国各地に支部があり、契約自体も本社ではなく、支部と結ぶことになります。
例えばクロネコヤマトの場合、集荷エリアの中央にあたる支部との契約になるため、代引やクレジットカード決済の代行契約を結んだ際に発行される、専用の集荷カードにおいても、契約している支部でしか使うことが出来ません。
(別エリアでは、別途手続きが必要になります。)

つまり、このような金額交渉については本社を通すのではなく、それぞれのエリア中央の支部に連絡を取り、金額交渉を行うことになります。
基本的には個別間契約となるため、法人専用プランと言ったものはほとんどありません(運送会社によっては条件を満たす限り用意しているところもあるようです。)

交渉の際は、いくつかの運送会社も同時に取ることをお勧めします。安全に確実な配送をしてもらうことが大前提ですが、抑えられるコストはやはり抑えていくべきでしょう。

力技で送料を抑えているケース

全国一律料金と言うのは、郵便局のエクスパックなどでは定番ですが、運送会社においてはメール便くらいのものです。

上記の通り、送料は原則として公開されている金額のものとなるため、相当数の配送が確保できている、企業として大口の契約を結んでいる場合でもない限りは値下げ交渉は難しいものです。
特に発送数の全体が把握できない場合や、季節限定でしか配送数が伸びないと言う場合においては、ほぼ交渉は絶望的と言えるかもしれません。

このような場合でも、やはり「全国一律」で提示できる方がメリットとしては大きいもので、できればネットショップ上の分かりやすいところに張り出しておきたいものです。

方法としては、力技と言えばそれまでですが、商品の純利益を送料の一部にあて、1商品の収益を削りつつも発送数を確保するパターンもありますが、配送関連については様々なカラクリがあるもので、ノウハウや工夫によって、その差分を生める方法と言うのはあるものだったりします(あえてここで紹介することはしませんが、特別難しい方法ではありません)

送料や手数料は商品購入上、必要な金額です

ネットショップである以上、送料はよほどの在庫量を抱え、運送会社との円滑な契約によって完全無料にでもしない限り、必要経費となるものです。

商品代とは別のものとしてお客様にご負担願うものである以上、送料・手数料共に分かりやすい場所に明記しておく必要があり、その上で購入してもらえるお店を目指さなければなりません。
さらに、「見えない金額」として、銀行振込や郵便振替においても、若干の振り込み手数料がかかることは周知しておく方がベターとも言えます。

意外にスルーされがちな部分ではありますが、やはりお金に関することですので、それに関することは十分な理解を得られるよう、工夫することも大事なわけです。

お客様は商品の価格に対して、特に送料ついてシビアに見る場合の方が多かったりもするものですので、分かりやすく提示できるよう考えてみたいものです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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